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コラム

2017.10.02

そろそろ理解してみよう ~仮想通貨とブロックチェーン~ その1

世の中にはどうしても後回しにしたい事ってありますよね。
「宿題やらねば。免許の更新に行かねば。お掃除せねば。(今日はいいや)」

もう本当に挙げだすときりがないのですが、私の脳内ペンディングリストで3年以上居座る強敵がこれ。
「仮想通貨?ブロックチェーン?調べねば。(今日はいいや)」

Mt.GOXというワードを耳にしては、茶色いモビルスーツが山腹からひょっこり顔を出す姿を想像していたのが2014年(それゴッグな、、、)。あっという間に月日は流れ、2017年の今となっては関連のワードを見かけても「それ来世への土産、今世は調べない」等と、妙な理屈で黙殺出来るまでになりました。これはいかんです。ここはひとつ、苦手なアレを徹底的に調べて、初心者目線で逆にわかりやすく説明してみようじゃないですか。

数回に分けたシリーズ掲載になりますが、お付き合い頂けると幸いです。

1.興味の発端 ~仮想通貨にはセキュリティ要素が満載~

わが社は金融商品を取り扱う会社でもなければ、私個人としてもお金には縁遠い方(残念!)だったりします。そんな私が何故、仮想通貨に興味を示すのか。それはベースとして機能する、暗号・セキュリティ要素の結集「ブロックチェーン」という技術にあります。ここは回を重ねながら詳しく触れていくとして、第一回目の今回は、その前提となる仮想通貨の大まかな概念や仕組みについて、代表的な存在であるビットコインを例に軽く振り返ってみます。

2.ビットコインとは何なのか ~通常の通貨との違い~

突然ですが、私たちが日常使用する通貨(法定通貨)の発行元は誰でしょう。これは日本であれば中央銀行である日銀ですよね。至極当然ではありますが、我々自身が経済状況を考慮しながら具合よろしく新札を刷っている訳ではありません。

では今度は、通貨をやり取りする場合はどうでしょう。例えば私が鈴木さんに5万円を引き渡す時、私と鈴木さんの間に立ち、やり取りの結果を担保してくれているのが銀行です。これを私と鈴木さんのみで実現しようとした場合、直接現金を引き渡すしか術は無く。海外への送金などもってのほかですね。

いわば法定通貨とは、金融機関がお金を発行して、やり取りの結果も担保してくれる「中央集権的」なシステムです。ありがたや。しかしこのシステム、経済失策により通貨の価値が大暴落したジンバブエ、あるいはギリシャやキプロスにおける預金封鎖といった例を考えると、必ずしも最善の策では無いのかもしれません。そこで、国家の政策による価値への影響を抑え、取引についても銀行を仲介しない「非中央集権」の取引システムを目指して生まれたのが、ビットコインという仮想通貨です。

ジンバブエドル

ハイパーインフレで法定通貨が紙屑同然となったジンバブエ。一番手前は100兆ジンバブエドル。うわぁっ。

3.ビットコインは誰が発行するの?

前記の通り、ビットコインは中央銀行のような金融機関が発行するものではありません。では誰がという事になる訳ですが、これ、実はビットコインの参加者が”発行”というより、金の如く“採掘”(マイニング)しています。もう少し正確に言うと、マイナー(採掘者)と呼ばれる人達が、取引データ(トランザクション)群をあるルールに基づいて「よーいドン」で捌き、これを最初に達成できた人が「報酬」の一定額を採掘しているイメージです。

ほうほう金の採掘?どうやらビットコイン、法定通貨の様に(やろうと思えば)無尽蔵に発行出来るものではなく、量に限りがあるようです。まぁ釈然としませんが、確実に言える疑問が一つ。

「マイナーだかメジャーだか知らんが、参加者自らがトランザクションを捌く?そんなの偽のデータが紛れ込んでしまうのではないか。」

しかしそれを実現してくれるのが「ブロックチェーン」という仕組み。うーむ。一旦次に進みます。

マイニング

4.ビットコインはどのようにやり取りされるの?

こちらのテーマも前記の通りですが、ビットコインは銀行が台帳を管理する事で取引が成立する"中央集権的"な仕組みとは異なり、その誕生から現在に至るまでの全取引が記載された台帳を、参加者全員が共有していく"非中央集権(分散型)"の決済システムです。

通常の通貨の取引

通常の通貨の取引

ビットコインの取引

ビットコインの取引

「台帳を参加者が共有なんて。取引情報の改竄から個人情報の搾取まで、あらゆる不正が横行するのでは?」

はい、こちらもこんな疑問が湧きますよね。しかしこれを実現してくれるのも「ブロックチェーン」という仕組みです。うーむ。どういう事なの。

5.ブロックチェーンって何だろう

ブロックチェーンという仕組みが、ビットコインの根幹を成すイメージは湧いてきました。しかしです。参加者がトランザクションを捌いたり、台帳を共有する等、セキュリティのセの字も無いような。この一見、荒唐無稽(?)とも思われる取引システムを、暗号技術やP2P等の要素によって実現してくれるのがブロックチェーンであり、またの名を「分散型台帳技術」と称されています。

そしてこのブロックチェーン。今やビットコインからスピンアウトして、その特性を活かし様々な分野への応用が模索されており。こちらも追っていつか触れる事にしましょう。

6.第二回目に続きます

という事で「仮想通貨とブロックチェーン」の一回目。ビットコインとは何か、そしてその根幹にはブロックチェーンという技術が存在しており、それは暗号技術の結集であるという”触りの部分“だけを紹介しました。私もまだまだ勉強中なのですが、次回は「ブロック」と「チェーン」について詳しく考えてみます。それでは次回。

ブロックのチェーン

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