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コラム

2017.12.21

無線通信とセキュリティ ~その1 無線通信の種類をおさらい~

はじめまして。パーソルテクノロジースタッフのエンジニア「Zライダー」です。趣味はバイク、休日はもっぱらツーリングをして過ごしています。

昨今、IoTによるモノとモノの通信は益々増大し、この流れは止まることはないでしょう。通信が存在するところには必ず脅威や脆弱性や発生し、セキュリティの需要が生まれます。すでにMiraiウイルスによって多くのネットワークカメラや家庭用ルーターが脅威にさらされています。つい先日もWi-Fi認証WPA2の脆弱性「KRACKs」が公表され、ちょっとした騒ぎになりました。主要なベンダーのデバイスについては、幸いパッチ適用で対応が可能でしたが、もっと深刻な脆弱性が見つかる日はいずれ必ずやってくるはずです。

今回は、そんなIoTを支える大きな技術のひとつ「無線通信」について、それらの種類や特性について振り返りを行うことで、IoTセキュリティの理解に対する第一歩を踏み出しましょう。

1.無線通信にはどんな規格があるか

モノとモノが通信を行うには、便利性の観点からやはり無線通信が主流と言えるでしょう。よって、IoTのセキュリティを理解する為には、先ずは無線通信への理解が求められるという事になります。さてメインテーマとなりますが、今回は主要な無線通信規格について振り返ってみます。

1-1.Wi-Fi

wi-fiルータ
規格名称 IEEE 802.11a/b/g/n
周波数帯 2.4GHz/5GHz
電波の届く範囲(目安) ~100m
使用されるシーン例 スマートフォン、PC、ゲーム機、テレビ、自動車、家電、OA機器

Wi-Fi Allianceによって認定された、無線LANの規格。Ethernet規格からの置き換えを前提として設計された規格であり、オフィスや家庭内でPCを含む各種機器の接続を想定している。そのため到達距離が長く、伝達速度は高く、インターネットとの親和性が高い。ただし消費電力は高め。

1-2.Bluetooth

bluetoothスピーカー
規格名称 IEEE 802.15.1
周波数帯 2.4GHz
電波の届く範囲(目安) Class1:100m 、Class2:数mから数十m、Class3:数m
使用されるシーン例 マウス、キーボード、スマートウォッチ、スピーカー、インカム

近距離無線通信規格の一つ。簡易な情報のやりとりを行うのに使用される。近年特に進歩が著しい通信規格であり、Bluetooth4.x(2009年~)、Bluetooth5(2016年~)で到達距離、省電力化、セキュリティあらゆる面が飛躍的に向上している。例として、最も長いClass1の到達距離の目安が100m程度とされているが、近年のBluetooth内臓のバイク用インカムなどでは、実際には数百m~1kmの通信が可能である。

また、従来から省電力が特徴だったZigbeeと同等の省電力性能にまで進歩しており、家電メーカーも製品にBluetoothを搭載すればいいのかZigbeeを搭載すればいいのか悩むケースが出てきている。

1-3.ZigBee

リモコン
規格名称 IEEE 802.15.4
周波数帯 2.4GHz
電波の届く範囲(目安) 数m~数十m
使用されるシーン例 家電のリモコン、住宅設備、電力見える化

センサーネットワークを主目的とする近距離無線通信規格の一つ。転送可能距離が短く、転送速度も非常に低速だが安価で消費電力が少ない。スリープ時の待機省電力に優れているが、近年Bluetoothの省電力性能の進歩によって、相対的な優位性は薄れている。

デバイス単価の安さと最大同時接続台数の多さは2017年現在でも優位性を保っており、大量のセンサーから情報を収集することに向いている。少数のデバイス同士の通信でも、限られた自社製デバイスが通信相手で、高い転送速度が求められない場合はZigbeeを採用することによって単価を安くすることができる。

2.通信通信規格によるメリット/デメリット

規格の違いによって到達範囲や転送速度の違いがあります。到達範囲が広く通信データ量が大きい規格ほど優れているかというと、必ずしもそういうわけではありません。スペックの高い規格であるほど、実装デバイスのコストは高くなり、占有容積は大きくなり、消費電力は増大します。

近年、SNS通知や様々なスマートフォンアプリとの連動など多機能化が目覚ましいスマートウォッチにWi-Fiが搭載され始めました。腕時計のように容積の小さな製品にBluetoothとWi-Fiを両方搭載できるのはテクノロジーの進歩を感じますが、Wi-Fi通信が消費する分の電力を賄うだけの高性能なバッテリーを、小さな製品に搭載する必要が出てきます。

AppleWatchもWi-FiとBluetooth両方に対応していますが、省電力のためBluetoothに優先して接続する設定になっています。省電力化とバッテリーの蓄電能力の強化、デバイスの小型化などが、スマートウォッチ製品の大きな課題です。

3.まとめ、次回掲載など

家庭用無線LANルーターや携帯ゲーム機、スマートフォン等の登場によりWiFi通信は身近な存在になりました。今回は第一回目ということもあり、規格の振り返り的な内容にクローズアップしてみましたが、次回は現在みんなが使っているWiFi通信に危険性はないのか?過去には存在しなかったのか?を大きな観点としながら、偽Wi-Fiポイントを作成する実験などを行ってみたいと思います。

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