TOUCH THE SECURITY Powered by Security Service G

コラム

2017.11.28

SNSのセキュリティとプライバシー問題が書かれたレポートを分かりやすくまとめてみた

SNSが私たちの生活にも浸透している昨今ですが、皆さんも利用されていますでしょうか?

SNSはコミュニケーションが活発になるという良い側面もありますが、同時に様々な問題も浮き彫りになっています。学校でのイジメや会社の解雇、果てはストーカーや殺人事件など、SNSをきっかけにしたトラブルは後を絶ちません。私たちはこのようなトラブルから身を守るために、どう対策をすれば良いのでしょうか。

2012年11月、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は報告書として「SNSの安全な歩き方~セキュリティとプライバシーの課題と対策~」を公開しました。この報告書は、多くのIT企業のメンバーから構成される“SNSセキュリティワーキンググループ”がまとめたものです。

SNSの概要を解説しながらも、プライバシーにかかわる問題が起こりやすい部分にフォーカスして「詐欺行為」や「アカウント乗っ取り」などのサイバー犯罪、「不適切な発言」などといった問題に言及している報告書です。

ただ、24ページもある資料なのですべて読むのは大変かも知れません。

この資料のまとめとして、最後に「SNSを安全に歩くための10項目」というものが掲げられていますので、今回はこの10項目について分かりやすく解説をいれさせていただこうと思います。

1. 常に公開・引用・記録されることを意識して利用する

インターネットは世界中に繋がっているということを私たちは忘れがちです。Facebookでシェアされたり、Twitterでリツイートされたりすることで、“自分の知らない人のところまで自分の情報が伝わってしまう”ということを常に意識しなければなりません。

2. 複雑なパスワードを利用し、セキュリティを高める設定を利用する

どのSNSにもログインパスワードを使用しますが、パスワードを簡単なものにしてしまうことで“アカウントの乗っ取り”も数多く発生しています。Facebookが公表したセキュリティに関する資料によると、一日当たり60万件もの不正ログインが行われているそうです。SNSと連携するWEBサービスも増えていますので、それに伴って被害も増加します。パスワードはできる限り複雑にしてセキュリティを高めましょう。

3. 公開範囲を設定し、不必要な露出を避ける

Facebookは「繋がる」ためのツールですから、デフォルトで「公開」設定になっています。そのため、住所や電話番号などの個人情報を露出してしまっているケースが散見されます。どの情報をどこまで公開するのかをよく考えながら、適切な公開範囲に設定し直していきましょう。

4. 知らない人とむやみに“友達”にならない、知っている人でも申請の確認をする

知らない人から友達申請が来ても、気軽に応じてはいけません。偽装アカウントから大量に申請を送ったうえで、友達関係を利用してスパムなどの詐欺行為に使われる、というケースがあります。知り合いからの申請だとしても、同時にメッセージで申請をした旨を書いてもらうなど、慎重になるべきです。

5. “友達”に迷惑をかけない設定を行う

SNSは友達と繋がる便利なツールですが、設定ひとつで友達に迷惑を掛けてしまうことにもなりかねません。たとえば、特定の友達に見せるべきではない投稿などはフィルタ機能を使うなどの配慮が必要でしょう。

6. “友達”から削除は慎重に、制限リストなどの利用も考慮する

アメリカ南部テネシー州では、Facebookの友達から削除されたことに逆上して殺人に発展してしまった事件もありました。ボタン一つで友達から削除することもできて便利ではありますが、画面の向こうには人がいることを意識して、「フォロー」に切り替えたり、フィルタ機能を使ったりするなど対応を考慮しましょう。

7. 写真の位置情報やチェックインなど、技術的なリスクを理解し正しく利用する

写真ファイルには位置情報が記録されますので、SNSに載せた写真から位置情報が判別されてストーキングされてしまうケースもあります。また、旅行先にチェックインしたことを載せたことで、空き巣に入られてしまうというケースもあります。そういったリスクがあることを念頭に置きながら利用するようにしましょう。

8. むやみに“友達”のタグ付けや投稿を行わない

タグ付けは仲間との繋がりが一目で分かる便利な機能です。しかし、友達をタグ付けすることがその友達にとって不都合な場合も考えられます。投稿記事で一緒にいたことを書かれること自体よく思わないかも知れません。必ず一言確認したうえでタグ付けや投稿をするようにしましょう。

9. 対策ソフトを利用し、危険なサイトを利用するリスクを低減する

「SNSでのウィルス感染はメールより10倍の危険度」とも言われます。友達との繋がりという信頼関係を“マルウェアの拡散手段”として利用されるケースも増えてきましたので、最新のセキュリティ対策ソフトを常に配置してリスクを低減するようにしましょう。

10. 企業などの組織においては、SNSガイドラインを策定し遵守する

企業に属する社員などがSNS上で不適切な発言をしてしまったり、安易に動画を公開してしまうことで、炎上したり、場合によっては逮捕されたりするケースも後を絶ちません。また、その個人が特定されて情報が晒されてしまうなどの二次被害にも繋がっています。企業としてはSNSガイドラインをしっかり策定し、社員に順守させるようにしましょう。

SNSは多くの可能性を秘めているツールだと思います。これからも利用者は増加し、繋がりも拡大していくでしょう。しかし、その一方でセキュリティリスクも同様に高まっていくものですので、これらの10項目に常に気をつけながら、安全に利用していきましょう。

記事一覧に戻る