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専業主婦から設計エンジニアへ。
出産・育児を経て、できる範囲でできることを最大化するために

2021年07月01日 レポート

出産・育児などのライフイベントと、自身のキャリアを両立するために、葛藤を経験した女性は少なくありません。 女性エンジニアとして、高いパフォーマンスを生み出しながら、派遣エンジニアとして自己実現に繋げている社員を紹介します。

【事例紹介】

寿退社を機に引っ越してきた愛知県で専業主婦をしていた弘中。扶養の範囲内で事務派遣を始めますが、その後CADに興味を持ったことをきっかけにフルタイムでものづくりエンジニアとして未経験でのキャリアをスタートしました。自動車部品のトレーサーを経て設計エンジニアになり、キャリアを重ねる中での妊娠・出産を経て、育休後は希望する仕事に復帰できなかった悔しさを経験。積極的に前に出るタイプではないけれど「できる範囲でできることをする」マインドで様々な工夫を重ね、現在は設計エンジニアとして高いパフォーマンスを発揮しています。

CADって面白そう!という好奇心から、専業主婦→ものづくりエンジニアに。

大学卒業後、文系卒・未経験ながらシステムエンジニアとして関西で働いていた弘中は、結婚を機に夫の勤務地である愛知県に引越しすることに。当時は多くの女性が当たり前のように寿退社をしていた時代。夫婦ともに母親が専業主婦の家庭で育ち、職場の同僚も結婚後は家庭に入っていたため、自然な流れで寿退社し専業主婦になりました。

しかし、もともと好奇心旺盛で新たなことや外部からの刺激を受けて様々なことに興味を持つタイプだったのに、友人・知人もいない見知らぬ土地で、家庭を中心とした生活を過ごすうちに、鬱屈とした気持ちを感じるようになりました。そこで、外部からの刺激を求めて気分転換のために週に3日、半日だけの仕事をすることにしました。パートよりも時給が良かった派遣を選び、配偶者の扶養控除が受けられる範囲内で事務系の仕事を始めました。

そんな弘中がものづくりエンジニアに挑戦することになったのは、仕事を通じて『愛知県ならでは』の求人事情を知ったことがきっかけです。

弘中「同僚から『愛知県には有名自動車メーカーがあるから、CAD関連の求人が多い』ということを聞き、興味が湧きました。もともと理系の勉強をするのが好きだったので、純粋に『CADって面白そう!学んでみたい!』と思ったのです。そこでCADスキルを習得するための方法について調べたところ、スクールに通うには高額な費用がかかりましたが、派遣会社だと未経験から研修を受けることができ、実際に仕事紹介までしてもらえるということを知りました」

しかし当時エンジニア派遣には、事務派遣のようにパートタイムで働ける案件は少なく、ほとんどが週5日×フルタイム勤務必須。これまでのように扶養控除の範囲内で働くことはできませんでした。弘中は夫と相談したうえで研修に申し込み、CAD研修を受けた後、自動車のバックカメラの搭載設計部門で図面をトレースするトレーサーとしてものづくりエンジニアのキャリアをスタートしました。

弘中「新たなことを学んで、仕事に活かしていけるのが楽しかったです。その後3年ほどかけてトレーサーから設計エンジニアにステップアップすることができました。決められた図面を作成するトレーサーの時よりも、多くの人と会話しながらアイデアを形にしていけるようになり、仕事の幅が広がりすごく面白かったです」

設計者として経験を積み始め1年ほど経った頃に妊娠が判明。出産・育児のために1年2カ月ほど休暇を取得することになりました。

 

自分ができる範囲でできることを。
限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを出すために

育児休暇が終わり、時短勤務で仕事に復帰することになった時、設計エンジニアとしての復帰を希望していた弘中に会社から提案されたのは、トレーサーとしての仕事でした。

弘中「設計者に戻れなかったことを悔しく思いました。設計者の仕事は折衝も多く、車両の進行スケジュールに合わせて柔軟な対応が必要になります。想定外の残業が発生することも多く、当時は時短勤務エンジニアの前例もなかったので『小さい子どもがいる時短勤務の人に設計の仕事を任せるのはかわいそう』という配慮をしてもらったのだということは、頭では理解できましたが、設計に戻れるだろうと思っていたので内心落ち込みました。かと言って、急に残業が必要になっても今の自分にはできないし、『時短でもやれます!』と胸を張って言えるほどの十分な設計の経験もありませんでした。やりたくてもできないもどかしさを抱えながら、職種は何であれ『自分ができる範囲でできることを精一杯やろう』と決めました」

時短勤務のトレーサーとして2年半ほど業務を行った後、内勤職を経てもう一度産休・育児休暇を取得。 その後、時短勤務で設計職に戻ることができた弘中は、自分ができる範囲で最大限のパフォーマンスを発揮するためのスタイルを作っていきます。

通常、設計の仕事は関係部門や関連会社の担当者とやり取りを重ねながらアイデアをまとめていきます。最初はザックリとしたアイデアを作り、それをベースにやり取りを重ねて時間をかけて完成させていくスタイルの設計者が多い中、弘中は限られた時間内でアウトプットが出せるよう、異なるアプローチをとっていると言います。

弘中「まずは関係部署に要件の把握を行ったら、自分で『これが最善策だろう』と思えるまでアイデアを考え抜きます。その後、周囲の識者にも相談して太鼓判をもらえたら、それを『なぜそう思ったのか』という趣旨や裏付けが分かるデータを一緒に付けた資料を提出するようにしています。ザックリした状態で提出すると、アイデアが行ったり来たりして関係者の中でまとまるまでに時間がかかってしまい、想定以上に時間がかかってしまうことも。また資料を見ても趣旨が分からないと「これはどういうことですか?」という確認の電話が入ることも多いですが、他の作業をしている時に問い合わせの電話に割り込まれると他の作業に遅れが出てしまうこともあります。事前に考え抜いてあると、想定通りのレスポンスが返ってきて想定していたスケジュール通りに進められることが多いのです。
ラブレターを書いているくらいの気持ちで丁寧に書き、先方担当者やその配下の実際に作業をされる方にも分かりやすい内容にすることで、最初に提出するまでに時間はかかりますが、その後のスケジュールに余裕が出ます。自分でイニシアチブをとってスケジュールをコントロールできるようになるので、ある程度自分のプライベートの都合にも合わせられるなど融通が利くようになります」

仕事の進め方を工夫し、高いパフォーマンスが出せるようになったことで、就業先からは「時短勤務だけど、フルタイムで働くメンバーよりも多くの成果物を出している」と評価いただけるようになりました。

自信はないけど、背中を押してもらえるなら挑戦したい

「自分ができる範囲でできることを精一杯する」スタンスは今も継続中で、現在は英語に挑戦しています。

ある日、関連するパーツを作る会社が海外企業になり、テレビ会議で打ち合わせることになりました。会議室で、テレビ会議のカメラからたまたま遠い席に座ろうとしていた弘中は、先に入室しカメラの前に座っていた上司に「あなたがこの件の担当だから席を替わりましょう!あなたが一番前に座らなきゃ」と提案され、主担当として英語で打合せを進行しました。
思うように英語で伝えられなかった弘中は「英語を身に着けなければ!」と思い、家から歩いて通えるスクールを探し、週1回ペースで学習を始めました。努力の結果、少しずつ英語での打ち合わせにも慣れていくことができました。

弘中「まだまだ胸を張って『英語が話せます』と言えるほどのレベルではありませんが、打合せで説明したり交渉したり…ということはある程度スムーズにできるようになってきたと思います。 私は新しいことや学ぶことは好きでも、自信が持てないのでいつも控えめな態度をとってしまいがち。自ら手を上げて表に立つことはできないけれど、背中さえ押してもらえれば挑戦できるタイプではあるんです。(笑)今回も最初は部門に英語を話せる人がいなかったので『とりあえず担当の弘中に任せておこう』っていう感じだったと思いますが、たまたま英語が得意な人がいなかったからこそ巡ってきたチャンスなので、できる範囲でやってみようと思いました」

 

結婚、出産、キャリア…タイミングが分からなくても挑戦したい。
その時々の自分に合うはたらき方を選べる「派遣」

子育てをしながら、エンジニアとして様々な挑戦をしている姿は大変そうに見えますが、実際には良い状態だったと言います。

弘中「体力的には大変でしたが、精神的にはすごくバランスが取れていました。育児と設計業務、二つの仕事を掛け持ちしているような気持ちで、それぞれの仕事のストレスをもう一つの仕事を通して気分転換できていたので、マインド面で煮詰まることはありませんでした。また子供の成長に合わせて、自宅から近い就業先に変更してもらうこともできましたし、転職せずに勤務地を変えられるのは派遣ならではのメリットだったと思います」

また、派遣は新しいことに挑戦したいけど不安があるという女性に向いていると感じたと言います。

弘中「自分がどんなキャリアを描きたいのか想像したとしても、その通りにはたらき続けられるかどうかは誰にも分かりません。女性の場合は、結婚・出産のタイミングが自分の想像通りのタイミングで来るとは限りませんし、挑戦したい仕事があったとしても『本当にその仕事をずっとやっていけるか』『今、入社しようとしているこの会社でずっと勤続できるか』ということも、はたらいてみないと分かりません。だからこそ派遣は、いろんな仕事・就業先があるからこそ、その時々の自分に合う働き方を選ぶのに融通が利きます。これから自分の生活がどうなっていくか分からないけど挑戦したい、新しいことに挑戦したいけど不安があるという人に向いていると思います。
私も最初はただ『CADが面白そうだな』っていう好奇心だけで、その先にどんな世界があるのかなんて分かっていませんでした。でも実際にはたらいてみることで、勉強したり、アイデアを考えたり、いろんな出会いを通して、自分では想像もできなかった世界が広がって、今は英語にも挑戦していますし、さらに他の技術領域にも興味が出てきました」

時間的制約があってもエンジニアとして活躍していただけるように
高い時間生産性やコミュニケーション能力を発揮できる環境づくりへ

社員の半数以上が25~35歳の若手のパーソルテクノロジースタッフでは、結婚・出産・育児などの大きなライフイベントの経験をする社員がここ数年増加傾向にあります。社員それぞれのライフステージに合わせて成長できる環境・機会を提供すべく、9年以上前よりエンジニアとして働きたい女性・子育て層の支援を行ってきました。

当社技術部の担当者「最近は設計現場に女性エンジニアがいることは珍しくなくなりましたし、派遣エンジニアでも時短勤務可能な案件は少しずつ増え、以前と比較すると子育てや介護など時間的な制約があるエンジニアも活躍しやすくなりました。時短勤務のエンジニアの中には、高いコミュニケーション力を強みに折衝業務を円滑に進めながら、時間生産性を意識して自身の価値発揮を行っている優秀なエンジニアが大勢います。さまざまな時間的制約があってもエンジニアとして自己実現していただけるよう、パーソルテクノロジースタッフではチーム型派遣や、時短エンジニアを中心とした受託チーム、時短勤務者の交流コミュニティなど様々な機会を提供しています」

働き方の多様化に合わせ、育児・介護・通院などの事情により時短勤務であっても、エンジニアとして自己実現を行いたい方の支援を今後も行ってまいります。

本件に関するお問い合わせ

パーソルテクノロジースタッフ株式会社
ブランディンググループ
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