Special Talk | 特別対談

5年後の目標から、今やるべきことを共に考える ――「点から線」へのキャリア支援を目指す、キャリアアドバイザー座談会

一人ひとりにじっくり寄り添い、キャリア相談やお仕事紹介を行う、パーソルテクノロジースタッフのキャリアアドバイザー。

「点から線へ」のキャリア支援を目標とし、日々の業務に打ち込むパーソルテクノロジースタッフのキャリアアドバイザーの3名が、キャリア支援体制や大切にしていること、やりがいについて語り合いました。

  • パーソルテクノロジースタッフ株式会社 人材開発部 キャリアサポート1グループ
    国家資格 キャリアコンサルタント

    浅岡 明子

    神奈川エリア/無期雇用社員のキャリア支援
    大切にしていること:先入観を持たずに、じっくり話を聞くこと
    趣味:お酒に合うつまみを探して、作ること

  • パーソルテクノロジースタッフ株式会社 人材開発部 キャリアサポート2グループ
    国家資格 キャリアコンサルタント

    西尾 摂恵

    西日本(名古屋と関西)エリア/インフラと開発エンジニアのキャリア支援
    大切にしていること:何でも自由に話せる場を作ること
    趣味:デザイン書道、文通、ガラスペンやインクの収集

  • パーソルテクノロジースタッフ株式会社 人材開発部 首都圏IT第1グループ
    GCDF-Japanキャリアカウンセラー

    山崎 真未

    関東エリア/ネットワーク・サーバエンジニアのキャリア支援
    大切にしていること:面談で「笑ってもらえる環境を作ること」
    趣味:漫画、自宅の整理整頓

エンジニアの方々に、幅広い仕事と選択肢を提示するために

  • ——それぞれの技術や経歴をもつエンジニアの方々へよりよいキャリア支援を行うため、キャリアアドバイザーの皆さんは普段、どんなことをしているのでしょうか?

    西尾 :お仕事を探しているエンジニアの方々と並走して、その人にあったキャリアを築くためのお手伝いをするのがキャリアアドバイザーの役割です。本人の希望条件や適性、お持ちのスキルなどをじっくり聞いたうえで、それに合った仕事を紹介したり、就業先が決まったあとも新しい職場で活躍できるよう相談に乗ったり……というのが主な仕事ですね。

    派遣先との契約満了後も、その人が思い描くキャリアプランなどに合わせて、次の就業先を一緒に探していきます。なので、どんな企業から、どんな求人があるのかは常に気にしています。求人情報に詳しいのは私たちよりも社内の営業チームなので、彼らに新しい求人が来ていないか聞いてまわることもあります。

    浅岡 :そうですね。その後はエンジニアの方々一人ひとりに向き合っている私たちが、たくさんの求人情報をチェックし、そのなかから「その人にあった」仕事を探すことになります。

    でも、弊社には本当にたくさんの求人情報がやってくるので……。私は、担当しているエンジニアの方の情報を営業チーム向けに週1回のペースで共有したり、求人情報に合いそうな人材がいれば、ピンポイントで営業チームの担当者に声をかけたりしています。

    西尾 :私が所属している西日本エリアでは、新しくいらっしゃったエンジニアの方の情報は私たちからすぐに営業チームへ共有することになっています。キャリアカウンセリングでエンジニアの新しい個性や魅力が見つかったときは、その都度、営業チームにおすすめポイントお知らせしています。

    山崎 :それ、私もやります(笑)。そうやって、営業担当者にもエンジニアの方々のことを覚えてもらえればな、と。他には、私たちのほうから営業チームに働きかけて、スキルや経験といった「企業側が、エンジニアに求める条件」を見直ししてもらうような交渉も行ったりしています。

    慢性的な人手不足というのももちろんですが、企業側が提示した条件に完璧に合致するエンジニアの方はごくごくわずかで、なかなか紹介まで至らないこともたくさんあります。そんなときは、企業の人事担当者と交渉して、求めている人材像をさらに掘り下げ、考えていただくようにします。

    浅岡 :「エンジニアの方のチャンスを増やすため」という話ですと、同じ顧客先でのローテーションで、普段とは違う業務に当たれるような働きかけでしょうか。無期雇用で働いていても「今はネットワークの運用をやっているけど、将来的には構築の仕事をしたい」という方もいらっしゃいます。

    そういった場合は、エンジニアの方の目標を営業担当者などに伝えて、顧客先に希望にあった役割や仕事がないか聞いてみることにしています。もちろん、職種のローテーションにはそれを希望する本人に実績が必要なケースが多く、難しいチャレンジなのですが。

    西尾 :これがうまくいけば、「やりたいことがあるけど、機会がないから諦めていた」という人にもチャンスが回ってきますよね。やりたかったことが経験できれば、その後の本人のキャリア支援にもつながります。企業の採用担当者も、エンジニア不足を認識しているので、価値がある交渉ですよね。

    山崎 :だと思います。働く側にとってもやりたかったことが経験できたり、目標とする将来像にも近づくので、両者にとってうれしいマッチングになるのかな、と。

    浅岡 :当社では、「今のスキルからできること」という単純なお仕事紹介に留まらず、エンジニアの方々の人生観や価値観といった「志向」をもとに、キャリアアドバイスを行っています。これを、将来を見据えた長期的な視点に立った「点から線へのキャリア支援」と私たちは呼んでいます。

    一人ひとりのキャリアプランを知って、幅広いお仕事を提示できることは、「点から線」で考える第一歩ですから。

「点から線へのキャリア支援」は「1年後の目標を考える」ことから

  • ——目標としている「点から線へのキャリア支援」を行うため、キャリアアドバイザーの皆さんが普段から意識されていることは何ですか?

    山崎 :私の場合は、エンジニアの方ご自身に「自分の市場価値」を意識してもらえるように働きかけています。例えば「5年後、10年後にどうなっていたいですか?」「そのために、いま身につけたいスキルはどんなものですか?」という質問をしたり。

    そこまでイメージできない方も多いのですが、将来の目標と自分の現在地を比べて、両者のギャップを埋めるために、今後どのようなキャリアプランを描けるのかを一緒に考えていったりしますね。

    西尾 :例えばITエンジニアでいうと、「ネットワークの構築をしたい」「Webデザイナーになりたい」など、目の前のやりたいことに一生懸命な方が多い印象です。そこで、最初のキャリア相談では「なぜ、その仕事をやりたいのか」「その仕事を通して、将来どんなことを実現したいのか」という所まで掘り下げて聞くようにしています。

    ご自身の価値観や人生観などの志向からキャリアを考えるようになれば、長期的な視点で仕事を選べるようになりますよね。そうすると、本人も最初はイメージしてなかったような仕事も検討できるようになり、可能性の幅も広がります。

    浅岡 :私は無期雇用のITエンジニアを担当しているので、特に「点から線へのキャリア支援」は日頃から意識して行うようにしています。

    具体的には、2つのアプローチを行っています。1つ目は、今の求人市場と、それぞれの職種の代表的なロールモデルを紹介して、「その仕事でキャリアを重ねていく自分」をイメージしてもらうこと。もう1つは、日々の業務の中で「成長を感じられること」をヒアリングしながら、まず1年後の目標を一緒に立てること。

    いきなり「5年後どうなりたい?」と言われても難しいですが、スモールステップで少しずつ考えるようにしていけば、思わぬところから「やりたいこと」や「続けたいこと」など、志向性につながる気づきがありますからね。

  • ——エンジニアの方々、それぞれの志向性を知るために、皆さんはどのようなことに取り組んでいますか?

    浅岡 :私は、キャリアカウンセリングの場で、プライベートも含めてどんなことでもたくさん話をしてもらうようにしています。たぶん、これは山崎さんや西尾さんも同じだと思いますが……。

    西尾 :(大きくうなずき)そう、そうですよね。

    山崎 :あとは1つでも2つでもいいので、「笑い」を共有することですよね。

    浅岡 :それもありますね! 初対面はエンジニアの方ももちろんですが、私たちも緊張してますし(笑)。

    山崎 :笑顔が出てくると、本音も伝えやすくなりますからね。少しでもプライベートな話をしやすくなっていただけたらうれしいのですが。

    浅岡 :趣味とか休日の過ごし方のような「その方のプライベートの姿」が見えてくれば、本人のことをより深く理解できますし、その志向にあった仕事も紹介しやすくなります。最近も、プライベートのお話が良い仕事に結びついたケースもありましたし。

    山崎 :どういった方だったのでしょう?

    浅岡 :それまではアプリケーションのテスト業務をやっていたのですが、任期満了になってしまい、次の就業先を探している方でした。最初の頃はやりたいことを尋ねても「どんな仕事でもいいです」というお返事だったのですが、話を重ねていくと、その方は趣味でゲームのプログラミングをやっていることがわかりまして。

    山崎 :趣味でプログラミングをやっている方、ということですね。

    浅岡 :そうなんです。そこで「プログラミング技術を生かして、開発の仕事をやってみませんか?」と提案しました。趣味が仕事になるとは思っていなかったようで、本人はすごく驚いていて。

    その方向性で求人情報を探してみると、テスト業務をしながら開発もできる案件があり、最終的にはそこに就業することができました。1年間近く経ちますが、今はプログラマーとして活躍しています。

    西尾 :それはすごいですね! プライベートの話が、その人の次のキャリアに繋がった。

    浅岡 :就業が決まった時は、本人以上に私が喜んでいたかもしれないです(笑)。山崎さんはいかがですか?

    山崎 :そうですね……。最近は「期間限定で働きたい」「在宅勤務で働きたい」といった、ライフスタイルを重視した働き方で案件を選ぶ人が増えているように感じます。「これからは農業をやっていきたい」「だから、エンジニア業はあくまでもサブ的に」のように、エンジニアの仕事以外にもっと注力していきたい道を持っている方もいらっしゃいますよね。

    西尾 :わかります。

    山崎 :そういった方は、これまでのキャリアや希望職種など、仕事のことだけを聞いていても、「ご本人のライフプランにあった仕事」をご紹介するのが難しいことがあります。やっぱり、プライベートや趣味のような、その方のパーソナルなお話を伺うのはとても大事だと思います。

    西尾 :私の場合は、まず「何をしたいのか」と一緒に、「何が得意なのか」を必ず聞くようにしています。人間には向き不向きがあると思っていて、「いつの間にかできるようになっていた」ものがある一方で、「どんなに頑張ってもできないこと」ってあるじゃないですか。

    実は、私も「学生時代の専攻が自分に合っていなかった」という苦い思い出があるので(笑)。本人の向き不向きによっても志向性が分かれてくるので、まずそれを話してもらいたいな、と。あとは、自分が持っている情報をとにかくエンジニアの方々に提供することですね。

    浅岡 :どんなことをお伝えしているのでしょう?

    西尾 :いくら私たちが「長期的な視点で」とエンジニアの方に伝えたところで、毎日目の前の仕事に追われていて、自分の将来像まで考える余裕がない方がほとんどです。頭ではやるべきだとわかっていても、情報収集まで手がまわらないのかもしれません。でも、それで将来のことが考えられないのは非常にもったいない。

    そこで、エンジニアの方に興味を持っていただけそうな技術や資格、求人などの情報をこちらから提案して、目指すべき方向性を一緒に考えていきます。キャリアを築くのはエンジニアの方々自身なので、しっかりと自分に向き合ってもらうためのお手伝いができたらな、と思っています。

業界の動向だけでなく「人材派遣のプロ」としての価値を提供する

  • ——エンジニアの方にとっては、目指すべき目標が明確になった結果、そこに向かっていくなかで、自分の成長も実感できそうですね。

    浅岡 :それはあると思いますね。キャリアアドバイザーによるキャリア支援だけでなく、当社としてもエンジニア・クリエイターの成長をサポートする制度を設けていて、これを利用する方も多いですよね。

    山崎 :そうですね。特に人気なのが「資格取得支援制度」でしょうか。就業中に資格を取得すれば、受験費用はもちろん、資格の難易度やニーズに合わせて報奨金が支給されるケースもあります。

    浅岡 :他にも、半日単位で年次有給休暇を取得できる「半休制度」を活用している方もたくさんいらっしゃいます。「定期的に病院に通わないといけない」といった、個人個人の事情にもフィットするようで。

    西尾 :私が担当する名古屋エリアでは、この制度を使うために他の派遣会社から移ってきたエンジニアがいるくらい、非常に好評な制度です。その方は今も就業してくださっていますよ。

    山崎 :それはすごい!

  • ——他にも、エンジニアのキャリア支援には、支援を行うキャリアアドバイザーさん側にもその業界に関する最新知識が必要なケースもありますよね。皆さんはどのように情報を収集しているのでしょうか?

    山崎 :「今どういう技術がトレンドなのか」「どういう技術が求められているか」といったことは、企業と直接コミュニケーションを取っている営業担当から教えてもらうことが多いですね。現場に関する情報は、現場の方から聞くのが間違いないので。あとはキャリアカウンセリングの場で、エンジニアの方から直接、話を聞いてしまうこともあります。

    浅岡 :やはり、最前線で活躍されているエンジニアの方は、最新技術についても熟知されていますからね。私もエンジニアの方と何気なく話していたことが、気づいたら情報収集になっていることが多いですね。

    西尾 :現場の方の話ももちろんですが、私は社内技術部門の方に聞いたりすることもありますよ。他にも、各求人の募集背景までを知っておくようにすれば、「現場では、どういうエンジニアのニーズが高いのか」「汎用性の高い技術はどれなのか」まで、理解できるようになります。

    あとは、定期的に担当領域のニュース記事をチェックしておくこと。最先端の情報を把握できるので、すぐには役に立たなくても1年後に「あのことだ!」と、つながるときがあります。

    山崎 :業界のことももちろんですが、キャリアアドバイザー的には「人材派遣のプロとしての視点」をエンジニアの方に提供するのも大事ですよね。

    「4月や10月の会社の事業年度の始まる月は求人が多い」「このスキルを持つエンジニアは常に不足している」のような、人材派遣の動向などについてご存知のない方もいらっしゃるので。役立つ情報は、エンジニアの方にも迅速に共有するようにしています。

    浅岡 :人材派遣の動向などは、私たちの得意分野なので、そこはぜひ頼ってもらいたいですね。

キャリアアドバイザーは人生に関わる仕事。良い選択のお手伝いができれば

  • ——皆さんが、キャリアアドバイザーのお仕事にやりがいを感じるのはどんなときですか?

    西尾 :私の紹介した仕事で就業して、その後「この仕事でよかった」と言っていただけた瞬間ですね。以前に、30年以上のキャリアがあり、システム開発もインフラもできるマルチエンジニアの方にお仕事を紹介したことがありました。

    山崎 :すごいエンジニアさんですね!

    西尾 :定期的に面談をしたり情報交換をしたりしていたのですが、とにかく技術の幅が広い方なので。本人は「新しいことがやりたい」とおっしゃっていたのですが、最初はどんな案件を紹介すればいいかわからず、ずっと悩んでいました。そんなとき、最新の技術を使ったサーバー管理の求人情報が入ってきたときには、「これだ!」と思いましたね。

    山崎 :まさに、というタイミングで、その方にあった仕事がやってきた(笑)

    西尾 :その方が以前にやられていた業務よりも少しだけお給料が下がってしまうので、提案するかどうかちょっと迷ったのですが……怒られるのを覚悟で紹介してみたら、「これだよ、これ!」と大喜びしてくださって。今もなお楽しんで、就業していただいています。

    浅岡 :よかったですね! 私の場合は、先程お話したテスターから開発エンジニアになった方のように、ご本人がやりたいと思っていた仕事に就けたときや、エンジニアの方が毎日楽しく仕事に向き合えている様子を伺ったときですね。特に「この仕事に就けてよかった、ありがとう!」と感謝の言葉をいただけたときは、この仕事をやっていてよかった、と感じます。

    山崎 :キャリアアドバイザーは一人ひとりの人生に関わる仕事ですよね。「私が支援に関われたことで、実現できた」という介在価値を感じる瞬間は毎回とにかくうれしいです。最近では、前職はITとは無関係な仕事をやっていた、数年間のブランクがあるエンジニアの方にお仕事を紹介したことがあったのですが。

    浅岡 :以前のご経歴を詳しくヒアリングされたのですね。

    山崎 :そのなかで過去のご経歴にさかのぼってお話を聞いたのですが、4年前にはテクニカルサポートやフロントSEとして数年間の経験があるとのことでした。

    でも、一般的にIT関連職は技術の変化も早い業界ですし、エンジニアの場合は直近のご経歴から次の仕事を紹介することがほとんどです。なので、この方にはどんなお仕事がマッチするのか……と悩んでいました。

    西尾 :結局、どうされたのでしょう?

    山崎 :その方のスキルにマッチした求人情報を出している企業に推薦したところ、採用担当者から「こういう人がほしかったんだよ」と(笑)。ブランクはあるものの、サーバーやネットワークの知識だけでなく、顧客先との折衝経験をお持ちだったことが就業先の企業としてとにかく嬉しかったようです。

  • ——これからもエンジニアの方々の長期的なキャリア形成につながる、よい企業との出会いを生み出していきたいですね。

    西尾 :エンジニアの方のキャリアに私たちが介在することで、「いい人生の選択ができた」と思ってもらえる方をもっと増やしていきたいですね。

    浅岡 :そうですね。エンジニアの方々が、仕事を通じて社会貢献できるのはとても素敵なことです。そんな機会を多く生み出せるように、しっかりとキャリア支援を行っていきたいです。

    山崎 :私もエンジニアの方々が新たな一歩を踏み出せるように、将来につながる「気づき」になるような、いろんな視点を提供してきたいと思っています。

    ——本日は、どうもありがとうございました!

文=西谷忠和/編集=ノオト

本文中に記載の社名・部署名等は取材時点のものです(2021年9月30日時点)