Special Talk | 特別対談

AIエンジニア対談 - 業務に必要なスキルと将来のキャリアプランとは

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現在、様々な企業でAIやデータの活用が進んでおり、AI人材の需要は今後ますます増加していくと見られています。

他の分野で働いているエンジニアでも、将来はAI開発に携わりたいと考えている方は多いのではないでしょうか。

今回はパーソルテクノロジースタッフ IT第1技術部のAIエンジニアの髙岡 誠彦さん、データサイエンティストの山﨑 康平さんにお越しいただき、AI業務に携わることになったきっかけや必要なスキル、将来のキャリアプランなどについて語っていただきました。

AIに携わることになったきっかけは"ものづくりへの興味”と"データサイエンティスト育成スキーム”

――まずはお二人のご経歴と現在の業務内容について教えてください。

髙岡:パーソルテクノロジースタッフ入社以前はSIをしていたのですが、ものづくりに関わりたくて上司に相談したところ、AI案件を紹介されて約半年間携わりました。そこで興味を持ち、本格的にAIの開発を行うため2017年9月にパーソルテクノロジースタッフに入社しました。現在はインフラ保守企業でAIの開発業務に従事しています。

山﨑:私も以前はSIでした。当時は主に人事給与システムの開発に携わっていたのですが、WEB分野に興味を持ちパーソルテクノロジースタッフに入社しました。その後、私が現在働いているコンサルティング会社とパーソルテクノロジースタッフ間でデータサイエンティストの育成スキームが立ち上がり、声をかけていただいたことをきっかけに今の現場に入りました。現在はAIを活用してデータ分析し、未来を予測する仕事を行っています。具体的にはお客様のデータを活用し、日頃の業務課題を改善できる施策をご提案するというものです。

――お二人ともAIに本格的に携わり始めたのは現在の現場に入ってからとのことですが、それまでAIにはどういった印象をお持ちでしたか?

髙岡:パーソルテクノロジースタッフ入社前、すでに世の中にはAIブームが来ていました。半年間携わった案件はIBMのワトソンを活用したFAQチャットボットだったのですが、どんなにうまくつくっても精度は7割出ればいい方だと言われました。それを聞いて「そんなもんなの?」と逆に興味がわいてきたことを覚えています。

山﨑:たしかにブームが来ていることは感じていましたが、入社前の私にとっては自分とは別の世界の話でした。データサイエンティストとしてAIを活用した業務についてからは、自分なりに情報収集して機械学習のトレンドなどを追いかけています。

AI業務で感じるやりがいと大変なこと

――日々の業務でのやりがいや大変なことを教えてください。

髙岡:私が働いているのはインフラ保守会社なので、インフラに障害が発生するとまずネットワーク機器にバグがないかどうかを調べます。バグを検索できるツールは入れているのですが、最終的にはその一覧から人の目で探し出さないといけないのです。それがすごく大変なので、機械学習でなんとかならないかということで、AIによるバグの検出システムを開発しています。

機械学習では学習データの準備が大切なのですが、これが非常に大変です。なぜかというと、どういう設定をするとどういうバグが発生するのかという関連付けがデータ化されておらず、人の頭の中にしかないからです。また、データ化されていてもフォーマットが一定でないなど、形が整っていないと使えません。ですので、まずは使えるデータを探すところから始めないといけないわけです。かなり大変な作業ですが、そうやって試行錯誤した結果、うまく精度が上がったときは本当に嬉しいですし、やりがいを感じますね。

山﨑:私が今取り組んでいるのはクライアントの需要予測です。たとえば小売店の翌日以降の販売数や、工場の部品の需要、ときには社員の退職率や、優秀な営業部員がなぜパフォーマンスを上げられるのかの理由なども予測・分析しています。最先端の技術を使って業務課題を改善できることにはやりがいを感じますし、どういうデータがどういう結果につながっているのかを知ることができるのは面白いですね。一方で、エンジニア時代に経験がなかったレポーティングなどのコンサルティング業務は大変な面もあります。

AI業務に必要となるスキルや経験をどう積んでいけばいいのか

――エンジニアの方がこれからAIに携わりたい場合、どんなスキルや経験が必要になるでしょうか。

髙岡:機械学習のライブラリなんかは公開されていますし、書籍もたくさん出ているので、まずはそれらを活用してさわってみることが大事だと思います。

山﨑:どういう分野にチャレンジしたいのかを明確にした方がいいと思います。たとえば自然言語処理なのか、画像認識なのか、データ分析なのか。それによってツールも変わります。また、数学や統計学の知識も必要ですが、そこから始めると挫折しがちなので……、まずは髙岡さんが仰るようにAIに触れてみて、自分が楽しめるかどうかを大事にした方がいいと思います。

――エンジニアの方がもともと持っているスキルも活かせますか?

山﨑:活かせると思います。私もAIに携わり始めてからR言語を使っていますが、もともとエンジニアをしていたおかげで習得が楽でした。また、データ分析でもエンジニアの視点でお客様と話せるかどうかは重要です。

髙岡:開発では現場の方からデータをもらうことが多いですし、開発したAIを実際に使うのは現場の方です。そういう意味ではコミュニケーション能力も必要でしょうね。

山﨑:そうですね。要件定義など上流工程に関わってきた経験があるなら、お客様と接する機会も多いはず。そうした経験はAIの開発にも生きてきます。将来、AIの開発をやりたいのであれば、今からそういう経験は積んでおいた方がいいと思います。

――スキルアップのためにやっておいたほうがいいことはありますか。

山﨑:まずはやってみることです。ネットで検索すれば初心者の方が試してみた記事なども見つかります。そういったものを参考に、たとえば画像認識なら自分で用意した画像で試してみるといいでしょう。データサイエンス分野でいうなら、Kaggleというコンペティションサイトがあります。企業が出しているデータ分析のお代に挑戦できるので、やってみるのも良いでしょう。その結果をアピール材料として使うこともできます。

――技術の進歩が速いAI業界ですが、お二人は日頃からどのように情報収集をされているのでしょう。

山﨑:SNSなどでデータサイエンスに関わっている方をフォローしています。最新の論文や技術などについて発信している人も多く、技術トレンドの動向など情報を手軽に手に入れることができます。また、現場での情報交換や書店でAI関連書籍を購入して情報をチェックしています。

髙岡:私もネットで検索して必要な情報を得ていますね。機械学習モデルをつくるためのアルゴリズムはいろいろ種類があって、どれを使うのかが重要です。調べて、実際に使って、評価して、その繰り返しが大事です。

AIエンジニアが描く今後のキャリア

――お二人は今後、どのようなキャリア形成を考えておられるのでしょうか。

髙岡:まずは今の仕事をしっかりと形にしたいですね。その後は山﨑さんの未来予測のように、別の分野の機械学習にも挑戦したいと思っています。今日お話を伺っていて、似ているところも違うところもあって面白いなと思いました。

山﨑:基本的にはデータサイエンティストとしていろいろな案件をこなしていきたいです。最近思うのは、日本企業は一足飛びにAI活用をしたがる傾向があり、データの蓄積や分析がすっぽ抜けていることが多いということです。とはいえ、ここ1~2年で企業もようやくそれに気づいてきた感がありますので、そこにアプローチするのも面白そうだと考えています。

――AI業務において、会社としてのサポート体制に期待することはありますか?

山﨑:先ほど「まずやってみる」ことが大事だと言いましたが、大量のデータを扱わないと経験できないことも多いです。ですから、扱いやすいデータや大量のデータを処理できるサーバなどを用意してもらえるといいですね。社員が気軽にAIに挑戦できる環境づくりをしてもらいたいです。

髙岡:機械学習ではデータを集めて加工するわけですが、その際にデータサイエンスの知識がないと難しい部分もあると感じています。ですので、そちら側のサポートもほしいですね。社内で勉強会などを開催してもらえると嬉しいです。

山﨑:いいですね。知識の共有はぜひやりたいですね。

※本文中に記載の社名・部署名等は取材時点のものです(2019年5月20日時点)

パーソルテクノロジースタッフ株式会社 
IT第1技術部 システム開発G データサイエンティスト

山﨑 康平

前職ではSIerにて主に人事給与システムの開発・運用保守に携わる。
2015年、テンプスタッフテクノロジー(現パーソルテクノロジースタッフ)に入社、パブリック向けWebサイトの開発に従事。
2017年よりコンサルティング業務の一環としてデータサイエンスの領域に携わり、現在は機械学習による需要予測プロジェクトなどを担当している。

パーソルテクノロジースタッフ株式会社 
IT第1技術部 システム開発G AIエンジニア

髙岡 誠彦

2001年にSIerに入社、主に大手メーカーの基幹システムの要件定義、設計、開発、保守に携わる。また、自然言語処理を利用したFAQ検索システムの検証プロジェクトに参画。
2017年、パーソルテクノロジースタッフに入社。就業先において、ネットワーク機器の監視システム及び不具合情報検索システムの開発を担当。
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